リアルな恋は落ち着かない
そんなことを思いながら、五十嵐くんの動向をチラチラ見ながら気にしていると。


(あっ・・・)


五十嵐くんが、なにやら資料を手に持って、阿部課長の席を訪れた。

そして二人で資料を見ながら、真剣に何か話をしている。

「・・・じゃあ、そんな感じでいいですか」

「ああ。一応俺も聞いておきたいから。午後になったら一緒に営業部に行くか」

「はい」


(えっ!?・・・た、大変だ!)


午後になったら、五十嵐くんと阿部課長は二人きりになる時間があるらしい。

普段オトナな五十嵐くんでも、話の流れでどうにかこうにかなってしまって、ここぞとばかりに私のことを話し出してしまうかも・・・!


(そしたら、阿部課長に知られちゃう・・・!)


大変だ!これはとっても大変だ!!

オトナな五十嵐くんは、わざわざ人に言わないだろうと、ついさっきまではそう考えていたけれど。

阿部課長に話されるのではと一度考え始めたら、その妄想は止まらなくなる。


(やっぱり、五十嵐くんに頼んでおくしかないかもしれない・・・)


「言わない」って信じていても、「言うかもしれない」って、常に不安が付きまとう。

それならいっそ、ここぞとばかりに先輩の権限を振りかざし、五十嵐くんにきちんと頼もう!
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