リアルな恋は落ち着かない
ファミレスで食べていた、彼のメニューを思い出す。

たびたびいろいろ食べるより、一気に食べる派なのかもしれない。

会話がそこで途切れると、再び彼の視線が気になった。

意識しすぎだろうとは思う。

けれど、私は残りのミルクレープを、緊張しながらぎこちない手つきで食べた。

「・・・ごちそうさまでした」

その後、なんとか全てを食べ終えて、アイスコーヒーも飲み干した。

グラスの中に残った氷が、カラン、と涼しい音を出す。

ふと二人で時計を見ると、時刻はもう16時。

時が経つのが、とても早いと思ってしまった。

「この後どうしましょうか。ここから近いし、中華街でも行きますか」

「あ、うん!賛成」

五十嵐くんの提案に、私は笑顔で頷いた。

中華街も久しぶり。

いつだったか、ももさんと遊びに行った覚えはあるけど、少なくとも1年は経過していると思う。

「じゃあ、夕飯もそのへんでいいですか。餃子が美味い店があって」


(餃子!)


「うん!」

餃子は大好き。

やった、という気持ちで頷く。

すると彼も、ほっとしたような顔で笑った。

「小籠包が好きだったので。餃子も好きかなと思って」

「うん。大好き」

嬉しいな。

ミルクレープに続き、夜は餃子が食べられる。

昼も好きなパスタだったし、今日は美味しいものばかり。
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