リアルな恋は落ち着かない
(よーし、終わった!)


時刻は20時をまわったところ。

頑張ったかいあって、なんとか仕事を終えられた。

美瑠久ちゃんは、一足先に残業を終え、「お先でーす」とウキウキしながら宮沢さんとのデートに向かった。


(柊吾はどうかな・・・)


チラリと左に目を向けて、彼の様子を確認する。

すると私の目線に気づいた彼は、小さく笑って頷いた。


(良かった・・・終わったみたい)


私も軽く笑顔を返し、そのまますっと立ち上がる。

すると柊吾も同時に立って、二人で「あっ」と声を出す。


(しまった・・・)


「お。なんだなんだー、二人同時に立っちゃって。タイミングバッチリだなあ」

ちょうど後ろを通りがかった、部長に「ははは」と笑われた。

私は途端に恥ずかしくなり、無意味に机の上を整えだした。

すると。

「なにしてるの。デートなんでしょ?そんなことしてないで、さっさと行ったら?」

近くを歩いていた、井崎さんがぼそりと私に呟いた。

すると部長は「おお!」と言って、「ごめんごめん」と謝った。

「そうかあ、デート・・・。それで二人で一緒にね。橘内さんは、もうすっかり五十嵐のものだなあ・・・」

遠い目をする向坂部長。

頷くべきかわからずに、私は曖昧な笑顔で話をそのまま流してしまった。
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