リアルな恋は落ち着かない
柊吾が連れてきてくれたのは、会社から二駅離れた、横浜駅近くの創作和食のお店だった。

明るくてモダンな店内。二人がけのテーブル席は、二人にしては広めな席で、のんびりできて心地よい。

いい雰囲気もさることながら、彼のおすすめポイントは、はずれのない料理だそうだ。


(確かに、この煮物もさっきのサラダもすごくおいしい)


シンプルな器に、きれいに盛られた料理の数々。本当にどれもおいしくて、自然と箸がすすんでしまう。

「美味いだろ、ここ」

「うん」

柊吾に聞かれ、私は笑顔で頷いた。

「友達も好きで。大学の頃よく来てたんだ」

「そうなんだ・・・。うん、すごくおいしい」

「良かった」

柊吾は日本酒、私は一杯だけと心に決めて、梅酒をチビチビ飲んでいる。

何気ないこんな時間が、本当にとても幸せで。

今でも夢じゃないかって、いまだに時々頬をこっそりつねってる。

「・・・ああ、そういえば。最近、コウノスケ元気?」

会話の合間に、柊吾が突然呟いた。

私はぶぶっと梅酒を吹き出す。

「げ、元気・・・。いきなりだね」

「いや。なんか急に気になって。進んでるの?」

「うん・・・。ちゃんと毎日会ってるよ。この前は、大会で優勝してお祝いしたし・・・」

彼にこういう話をするのは、もう、だいぶ慣れたけど。

やっぱりイタいんじゃないかとか、二股している気分もあって、最初はちょっと構えてしまう。

「大会って、剣道の」

「うん。すごく大きい大会だったから、いろいろ大変だったんだけど・・・」
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