リアルな恋は落ち着かない
話しているうちに、お酒の力も手伝ってなのか、だんだん楽しくなってきた。

次第に気分がのってきて、光之助が約束してくれたことを、妄想を交えて話しだす。

「優勝したら、私に話があるって言ってたの。ここまでの流れからして、プロポーズかなって思ってるんだ」

「へえ。まあ、ありがちな流れかな」

「うん。でも、こう、そういう定番な感じがまたいいんだー。プロポーズは、ほんとにずっと待ってたし・・・」

「そっか」

柊吾が笑った。
 
私はそこで、突然はっとしてしまう。


(し、しまった・・・。『プロポーズを待ってた』なんて、私、柊吾に結婚を迫ってる感じになってる!?)


私の中で、柊吾はリアル光之助。

急にそんな不安が過ぎり、慌てて言い訳開始する。

「あの、別に、柊吾に言っているわけではなくて」

「え?」

「だから、その・・・プ、プロポーズ・・・してほしいとか・・・」

自分で言うのも気恥ずかしくて、モゴモゴしながら彼に伝えた。

すると柊吾はしばし考えるような間をおいて、それから急に笑いだす。

「・・・飛躍しすぎ・・・」

「えっ」

「大丈夫。いまの話で、さすがにそこまで考えないよ。コウノスケの話だろ?まだ付き合って一か月だし・・・オレに言ってるなんて、全く思わなかったけど」


(えっ)


「そ、そう?」

「そう。優里菜が、遠まわしにそういう戦略で言ってくるとも思えないし。この短期間で、優里菜がオレと結婚したいと思ってくれてる自信もないし」
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