リアルな恋は落ち着かない
「ごめんね、遅い時間なのに・・・家まで送ってもらって」

いつも通り、彼は私を送るため、路線の違う電車に乗って、一緒に電車を降りてくれた。

そんな、私の自宅へ向かう道中、隣を歩く彼に言う。

「なのにって。遅い時間だから送るんだよ」

柊吾が笑った。

「昼間ならまだしも、こんな時間にひとりで帰せないだろ」

「でも、コーヒー飲みたいなんて言ってこんな時間になっちゃったから・・・」

「それはオレが飲むって聞いたからだろ。優里菜は気い使いすぎ。もっと甘えたりわがまま言っていいのに」

「うん・・・」

十分、甘えている気もするけれど。

こうしたいああしたいってかわいく甘えるのは苦手だから、そういう意味では、甘え方が下手かもしれない。

そんなことを考えていると、柊吾は握っている手に少し強い力を込めた。

「別に、今の優里菜を変えろって言ってるわけじゃなくて。ただ、遠慮したり、悪いって思わなくていいってこと」

「わかった?」と彼が微笑んだ。
 
いっことはいえ、私の方が年上なのに、確実に柊吾の方がしっかりしていると思う。

私がコクリと頷くと、彼は言い忘れたように言葉を足した。

「まあ、送らなくて済むなら、その方がいいんだけど」

「えっ」


(や、やっぱり・・・!?)


ポツリと言った彼の言葉に、そうだよね、とショックを受けた。
< 307 / 314 >

この作品をシェア

pagetop