リアルな恋は落ち着かない
やはり断るべきだった。

これは、憧れている既婚男性と、二人きりで食事に行ってしまった私に対する罰かもしれない。


(私にだって光之助がいるのに・・・。やっぱり私には、二次元の彼がいちばんなんだ・・・)


二次元にいる彼ならば、恥ずかしいところを見せたって、「大丈夫」って言ってくれる。

すれ違うことがあったって、最後には必ず優しい言葉で包み込んでくれるのに。


(現実は、厳しいよ・・・)


一時中止もできないし、始めからやり直しなんてもちろんできるわけもない。

一歩でも前に踏み出したなら、結末のわからないエンドに向かって進んで行くしか道はないのだ。


(見ているだけの憧れだったら、こんなことにはならなかったのに・・・)


これでは、リアルに恋愛するなんて、やっぱり私は無理かもしれない.

ため息をつきながらベッドに寝転がった私は、本棚の上をちらりと見やった。


(はなこちゃん・・・)


一番上の右の端には、心の友達、ぬいぐるみロボットのはなこちゃんがいつもの定位置に佇んでいた。


(不安だよ、月曜日・・・)


語り掛けると、はなこちゃんは「がんばって!」と励ますような笑顔を見せてくれたけど。 

沈んだ気持ちは癒えぬまま。

私はどうしようもない思いを抱え、貴重な休日をどんより家で過ごしてしまった。


 



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