リアルな恋は落ち着かない
「目上の上司・・・しかもいつも威張ってるのに隠れSM癖がある部長とか。

会議室の床でだな、こう・・・グイグイっと」

ももさんは、自分のスニーカー靴のかかとで、床をグリグリとする動作をした。

「そしてその部長を踏みつけたまま、ゆりりんは上から会議資料を部長の身体にバーッと落とし、鼻で笑いながら『拾いなさい!』と言い放つのだ!」

「萌える・・・!」とももさんは遠い目をして恍惚の表情を浮かべる。

さすがの私もついていけず、思いっきり顔をひきつらせた。

「ちょっと、想像できない・・・」

「ゆりりんができなくともな、わたしは鮮明に想像できるぞ。そういうことをやって欲しい風貌だ」

「そ、そう・・・?」

鏡の中の自分を見る。


(う、うーん・・・?まあ、それが似合わなくもない・・・)


毛先だけウェーブがかった癖のある、背中の真ん中まである髪の毛は、下ろすとちょっとゴージャスに見える。

カラーリングなどしたことのない、真っ黒で多い毛量も、迫力があるかもしれなかった。

奥二重の瞼は、アイラインを入れただけでずいぶんと印象的な瞳になったし、濃い目の赤いリップグロスは、色白の肌に確かによく映えていた。

「女王様っぽい!まさに仕事ができるいい女!」

「う、うーん・・・」
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