リアルな恋は落ち着かない
「ちょっ・・・、柊吾。橘内さん先輩なんだろ?ちょっと失礼だぞ、今の」

「・・・自覚がないから。言っといた方がいいだろ」

「い、いやいやいやいや・・・。だから、もうちょっと考えろって」

慌てふためく宇佐美くん。五十嵐くんは相変わらず冷静な態度を変えない。


(やっぱり、五十嵐くん苦手だ・・・!)


ももさんはいい奴だとか言っていたけど、どこがどうなったらそう思うのか、私はまったくわからなかった。

けれど、そんな心の声が聞こえたのか、応えるようにももさんが言う。

「やっぱり、五十嵐はいい奴だ」

「・・・は!?」


(いまの流れで、どうしてそう思うの!?)


「普通、なかなか言えないぞ。ゆりりんを心配しての言動ではないか。先輩相手に・・・職場での立場が悪くなる、そんな危険を冒してここまで言ってくれたのだ。五十嵐はいい後輩だ」

「そ、そうかな!?」


(ただ、失礼なだけだと思う・・・)


納得できずむっとする私に、ももさんは五十嵐くんのプチ情報を付け加える。

「ああ、さっき、宇佐美くんと話してわかったんだがな。五十嵐はずっと弓道をやっていたそうだ」

「へ、へえ・・・」


(それ、いま、どうでもいいことだよ・・・)


「ゆりりんの好きなタイプではないか。袴を着た男子が好きだろう」

「・・・はっ!?」


(な・・・このタイミングで、突然なにを言い出すの!?)
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