見えちゃうけど、好きでいて
男は、ペタペタ体を触っている、季衣の手をみると「わかったから、もう離れろ」と
また、汚いものを持つかのように掴み、それを払った。

「わぁっ」

少しきつく押しのけられ、季衣は尻餅をついてしまった。

男は、触られたところをぬぐうように、払っていながらスーツを整えると、季衣を見下ろした。

「なんで、お前みたいな女が、ここにいるんだ」

「それは……」

季衣は、助けを求めるように京香のほうを見た。

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