見えちゃうけど、好きでいて
男は、よろよろと立ち上がりながら「ヴォール化粧品開発部、間渕慎平……こいつとは、従兄になりまぁす」と小さい声で言った。

京香は笑顔で座った慎平を迎えた。

慎平は、隣の男の肩をたたいた。

男は面倒くさそうに立ち上がり「ヴォール化粧品……専務、伊達政宗」と淡々と言って座った。

名前を聞いた季衣は「伊達、正宗」とつぶやいた。

正宗は、隣に座って、下を向いている季衣をつついた。

つつかれて、肩を縮め、京香のほうを見た。

京香は顎で促した。
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