見えちゃうけど、好きでいて
トイレに行った二人もまた、相手の話をしていた。

「お前、どういう関係なんだよ」

「何が」

「浦賀さんとだよ」

「知るか。べたべた人の事触りやがって……」

そう言って、季衣が触ったところに視線を落とした。

「それにしても、お前、どうして、ライバル社の社長と会食なんてこぎつけたんだ」

視線を戻し、鏡の前の自分を見ながら慎平に話を振った。

「たまたまだよ。たまたま」

明らかに疑っている正宗は「ま、どうでもいいけど」と言ってトイレを後にした。


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