見えちゃうけど、好きでいて
「ひぃ!!」

季衣は、驚きのあまり持っていたスプーンを投げてしまった。

「あ」スプーンの行方を見た京香の驚いた顔。
「あ」慎平は口に手を当て、正宗のほうを見ている。
「……」耳をふさいで小さくなった季衣。

正宗のスーツに、季衣が投げたスプーンが飛んできた。

正宗は、顔をしかめながら季衣を見下ろした。

「お、お前が突然声をかけるから悪いんだろ……」

慎平は必死にフォローするが、正宗の額には徐々に血管が浮かび上がっていた。

我に返った季衣は、振り返り高級そうなスーツについた汚れを見て悲鳴を上げた。



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