暗闇の中で
朝、宮地が言ってた"試練"というのは、この事だったんだ。
「あの……バカ!」
苛立ちを抑えられず、頑丈な壁を思いっきり蹴る。
だが、ここでどんなに暴れようが、壁を壊して外に出ることなんか出来ない。
「ねぇ……どうしたの?鍵、閉められたの……?」
心配した顔で、俺に近付くひなた。
俺の心臓が、ドクンと大きく疼いた。
ーーー足を露にした短いスカート。
薄着で下が透けそうな制服のシャツ。
そして上目使いで俺を見上げる、ひなたの表情。
ヤベェ……。
俺がひなたを守らないといけねェのに……。
俺が狼になってどうするんだよ……−−。
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