暗闇の中で
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「宮地くんのこと……嫌いになった」




暗闇の中、ため息混じりで呟くひなたの声が耳に届いた。


閉じこめられた俺とひなたは、今はとりあえず体育館の準備室で朝が来るのを待っている。




この発端の始まりは宮地が仕向けだしたこと、ということをひなたに伝えた。



ひなたは「どうして宮地君がこんな事をするの~?」とずっと悩んでいたが、宮地の思惑を知っている俺は、黙ることしか出来なかった。







――宮地は俺を試している。

どうせ宮地のことだから、スケベな俺が我慢できる訳ないと思っているんだろう。




そう簡単に宮地の思惑通りにはさせるか。

俺は絶対我慢する。

我慢させてみせる。




とは、思っているんだけど……。



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