あなたとホワイトウェディングを夢みて
ところが、玄関へ向かう留美の身体が妙な感覚に陥る。気分もあまりスッキリせず、何かが『欲しい』そんな気分だが、いったい何を求めているのか自分でも良く分からず、脳内までが落ち着かなくて熱でのぼせてしまっていた。
自分でも気付かないほどに頬を赤らめた留美が玄関ドアを開けると、ドアに拳を当ててもたれ掛かっていた郁未の身体がバランスを崩し留美の方へと倒れかかる。
咄嗟の事に驚いた留美は『大丈夫ですか?』と叫んだ。
「ああ、すまない。大丈夫だ」
体力には自信のある郁未だが、たかだか階段を三階まで上がってきたくらいで、これほど体力を消耗するだろうかと考える。しかし、どんなに考えても思考回路はだんだん不安定になり意識までも持って行かれそうな気分だ。
少し休ませて欲しいと言うつもりが、頬を赤らめた愛らしい表情の留美に郁未はノックダウン寸前だった。
これはいったん頭を冷やしたが良いと感じ、玄関内へ入り込んだ郁未は靴を脱いで廊下に腰を下ろす。
「水を貰えないか?」
「あ、はい」
胸元が大きく開いたドレス姿の留美。魅惑的な姿を見せられては余計に熱を発してしまう郁未が水を所望する。
具合でも悪いのかと、留美は急いで台所へと行くが、肝心な脚がおぼつかなくよろめいてしまう。そんな留美の後ろ姿に胸がますます熱くなる郁未は、重い腰を上げて茶の間の方へと向かう。