あなたとホワイトウェディングを夢みて

 だんだんと気が重くなる留美は、コーヒーを飲み干すと再び台所へ行っては濃いめのコーヒーを淹れる。どんなに濃いコーヒーでも味がしなく、美味しくも感じない。
 留美は約束の時間をとうに過ぎたのに、未だに現れない郁未に苛立ち始める。
 すると、そこでやっと玄関ベルが鳴り響き、待ちに待った郁未がやって来た。

「遅いわよ」

 怒鳴り気味で玄関へ駆けていく留美。
 ドアを勢い任せに開けると、そこには、会社で見るスーツとは全く雰囲気の違う郁未が立っていた。その姿は前回のディナーの時に装っていた服装より更に洗練され美しいフォルムだ。
 以前、惣菜屋近くのホテルで女性をエスコートしていた郁未の装いとも違い、断然今の姿の方が格好良いと、留美の頬が薔薇色に染まっていく。
 すると、遅刻した郁未への苦情も息と共に飲み込んでしまう。

「待たせたね」

 甘く囁かれるその言葉だけで、留美は遅刻を完全に許してしまう。
 軽く頷く留美は数歩後ずさりし、郁未を快く玄関へと入れる。
 相手の装いに胸を弾ませたのは留美だけではない。郁未もまた、先日と同じ装いなのに、今日の留美の出立は前回以上に妖艶で心を弾ませる。深いスリットはやはり失敗だったと、見え隠れする留美の太股が気になり目線が下がる。すると、会社のお堅い服からは想像も付かない程に留美の胸の膨らみが美味しそうで、揉みほぐしたらどんなに心地よいだろうかと唾を飲む。
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