あなたとホワイトウェディングを夢みて

「あの、コーヒーでも飲みますか?」

 郁未の熱い視線を感じ緊張が増していくと、留美はその場から逃げだそうと郁未にコーヒーを勧める。軽く会釈し台所へ行こうとした。
 すると、背後から郁未に抱きつかれ身体を郁未の方へと向き直させられた。

「専務……」
「留美、二人の時は郁未と呼んでくれ」

 そう聞こえた時には郁未の顔がすぐ側まで近付き、少し荒くなった息が留美の頬にかかる。この体勢だとまたキスされる。両手で郁未の胸を押し退けようとしたけれど、その手を掴まれ顔が重なる。
 いつもより熱い郁未の唇が、とても情熱的で拒めない。郁未の荒い息遣いと同じで、啄む唇の動きが荒々しい。なのに、それが求められているようで嬉しくて幸せな口付けに感じると、いつの間にか郁未の胸に寄り添いキスを返していた。

「留美、もっと欲しい」

 郁未の熱い吐息が留美の唇にかかると、留美の背に回された郁未の手が腰から下へと下がり、お尻へと伸びていく。

「ま、待って」

 郁未が興奮していると気付いた留美だが、心の準備は出来ていない。まして、天敵と見なしていた相手からの愛撫など論外だと、留美はお尻から太股を撫でる郁未の手を掴んだ。

「どうして待つんだい?」

 郁未の唇が頬から首筋に下りていくと、首筋に郁未の熱い吐息がかかる。

「だって、これからディナーへ行くんでしょう」

 這う唇が首筋に口付けしながら更に下がっていくと、留美は両手でドンと郁未の胸を突き放した。
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