あなたとホワイトウェディングを夢みて
けれど、聡からの電話など受ける気になれなく、郁未は着信拒否をする。
まさか着信拒否されるとは思わなく、聡が再び郁未へ電話をかけるがまたもや着信拒否された。
流石にそれを何度も繰り返されると堪忍袋の緒が切れる聡だ。運転席を飛び出し郁未が座り込んでいる階段へと駆けて行く。郁未の前までやって来るとふんぞり返っては偉そうに言う。
「おい、女の一人や二人、いや、十人の女に振られたとしてもだ、友人に対して取る態度じゃないだろ」
聡を見上げた郁未だが、ギロッと睨み付けると目を逸らし立ち上がった。聡を完全に無視した郁未は車とは真逆方向へと歩き出した。
「乗れよ」
聡の言葉にも素知らぬ顔をする郁未。
「強情張るな」
何度無視されても聡が呆れた声で郁未を引き留めようとすると、郁未は『いやだ』と、まるで小学生のように駄々を捏ねたように言い返す。
『手に負えない男だ』と、聡が右手で頭を掻きながら溜め息混じりで言う。
「真相を知りたくないのか?」
『真相』その言葉に耳をピクリと反応させた郁未は、聡の車の方へと足の向きを変えた。
「さっさと運転しろ」
助手席のドアを開けた郁未が車に乗るや否や、階段の所で呆気に取られ立ち竦む聡に命令する。
やれやれと頭を撫でながら運転席へと戻って行く聡は、困った顔をするものの郁未の嫉妬深さに笑いが出そうになる。