あなたとホワイトウェディングを夢みて
「約束通り彼女に指輪を贈りプロポーズし、そして彼女はそれを受け取った」
「見事、誘惑に成功したと言う訳か」
「そうですよ」
ビジネスの話をするように淡々と二人の言葉が飛び交う。どれもこれもまやかしのようだ。
「とうとう佐伯留美を落としたのか」
突然出てきた自分の名前、その衝撃に留美の脚が震える。今すぐここから立ち去らなければと、頭では判っているが足が動かない。
すると、二人の会話に再び衝撃を受ける。
「約束通りこれで例の縁談話はご破算ってことですよね?」
「賭けはお前の勝ちだ」
二人の会話が留美の頭に入ってこない。まるで二人の会話は留美を賭けの対象にしていたと思わざるを得ない内容だ。聞くべきではなかったと後悔した。そして、同時に『やっぱり』と言う思いが駆け巡る。
元々専務である郁未には快く思われていなかった。敵対する相手に恋心を抱くなど冷静に考えれば有り得ないと判断できるはずなのに、恋愛経験が乏しい留美にはそんな簡単なことすらも郁未の魅力の前では盲目となり何も見えていなかった。
「しかし、お前がまさかあの佐伯留美を口説き落とせるとは予想外だったな」
「いまさら撤回するなんて言葉は聞き入れませんよ。俺は父さんとの賭けに勝ったのだから政略結婚も見合いもなしですからね」
ナイフで刺されたような衝撃が胸に走る。これは夢を見ているのだと、郁未にプロポーズされたものの完全に信じ切れなかった自分の心が見せる光景だと、これはベッドの中で見ている悪夢だと、自分にそう言い聞かせるのがやっとだ。
「それから今回の賭けについては彼女には内緒にしててくださいよ」
「自分が気に入った女と結婚する為に、この茶番劇の総仕上げとして彼女を捨てる算段なんだろう?」
「俺の嫁は俺が決めます。これ以上、口出しは無用です」
「見事、誘惑に成功したと言う訳か」
「そうですよ」
ビジネスの話をするように淡々と二人の言葉が飛び交う。どれもこれもまやかしのようだ。
「とうとう佐伯留美を落としたのか」
突然出てきた自分の名前、その衝撃に留美の脚が震える。今すぐここから立ち去らなければと、頭では判っているが足が動かない。
すると、二人の会話に再び衝撃を受ける。
「約束通りこれで例の縁談話はご破算ってことですよね?」
「賭けはお前の勝ちだ」
二人の会話が留美の頭に入ってこない。まるで二人の会話は留美を賭けの対象にしていたと思わざるを得ない内容だ。聞くべきではなかったと後悔した。そして、同時に『やっぱり』と言う思いが駆け巡る。
元々専務である郁未には快く思われていなかった。敵対する相手に恋心を抱くなど冷静に考えれば有り得ないと判断できるはずなのに、恋愛経験が乏しい留美にはそんな簡単なことすらも郁未の魅力の前では盲目となり何も見えていなかった。
「しかし、お前がまさかあの佐伯留美を口説き落とせるとは予想外だったな」
「いまさら撤回するなんて言葉は聞き入れませんよ。俺は父さんとの賭けに勝ったのだから政略結婚も見合いもなしですからね」
ナイフで刺されたような衝撃が胸に走る。これは夢を見ているのだと、郁未にプロポーズされたものの完全に信じ切れなかった自分の心が見せる光景だと、これはベッドの中で見ている悪夢だと、自分にそう言い聞かせるのがやっとだ。
「それから今回の賭けについては彼女には内緒にしててくださいよ」
「自分が気に入った女と結婚する為に、この茶番劇の総仕上げとして彼女を捨てる算段なんだろう?」
「俺の嫁は俺が決めます。これ以上、口出しは無用です」