あなたとホワイトウェディングを夢みて
大きく開いた胸元から魅惑のウエストラインまで、キラキラ煌めく宝石と錯覚しそうな銀糸で縫われた、それは美しい刺繍に覆われている。それがもし鮮やかな宝飾だったとしても留美の微笑みの前では色褪せる。
郁未の頭の中は留美一色に染まってしまっていて、父親が選んだ花嫁になど眼中にない。
「あとは花嫁が試着して問題なければ挙式当日を迎えるだけだな。いやいや、ここまであっという間だった」
純白のウェディングドレスの前で大笑いする俊夫は、自慢げに腕を組みながらドレスを眺めている。
しかし、肝心の花婿である郁未の心を無視した挙式で、ここまで段取りが進んでいても郁未は納得しかねていた。
「やはり、この結婚は間違っている」
ウェディングプランナーは郁未の沈んだ表情を察し、他のスタッフをすぐに部屋から出すと自らも深くお辞儀をして、俊夫夫婦と郁未の三人を残し部屋から出て行く。
ウェディングプランナーの対応の鮮やかさに感心した郁未の母親は「素晴らしいドレスね」と、退室したプランナーの代わりにドレスを褒め、息詰まりそうな雰囲気を流そうとした。
しばらく沈黙が続いた後、俊夫からの厳しい言葉が飛ぶ。
「一度はチャンスを与えた。そして、そのチャンスをモノにできなかったのはお前だ。私だとて可愛い息子には幸せになって欲しい。だからお前に似合いの、お前を幸せにしてくれる女性を選んだつもりだ」
「あら、結婚とは女性を幸せにするものよ」
クスクスと笑う郁未の母親は幸せそうに「そうでしょ?」と俊夫に寄り添う。
「息子の前でよさないか」
頬をほんのり赤く染める俊夫。妻の前では子の親と言うより良き夫の顔へと変わる。それは、俊夫が、妻として女としての母を愛していると、郁未に嫌というほど伝わる。
自分も両親のような夫婦になりたいと願ってはいるが、その相手は留美なのだと今更ながら郁未は思い知る。
郁未の頭の中は留美一色に染まってしまっていて、父親が選んだ花嫁になど眼中にない。
「あとは花嫁が試着して問題なければ挙式当日を迎えるだけだな。いやいや、ここまであっという間だった」
純白のウェディングドレスの前で大笑いする俊夫は、自慢げに腕を組みながらドレスを眺めている。
しかし、肝心の花婿である郁未の心を無視した挙式で、ここまで段取りが進んでいても郁未は納得しかねていた。
「やはり、この結婚は間違っている」
ウェディングプランナーは郁未の沈んだ表情を察し、他のスタッフをすぐに部屋から出すと自らも深くお辞儀をして、俊夫夫婦と郁未の三人を残し部屋から出て行く。
ウェディングプランナーの対応の鮮やかさに感心した郁未の母親は「素晴らしいドレスね」と、退室したプランナーの代わりにドレスを褒め、息詰まりそうな雰囲気を流そうとした。
しばらく沈黙が続いた後、俊夫からの厳しい言葉が飛ぶ。
「一度はチャンスを与えた。そして、そのチャンスをモノにできなかったのはお前だ。私だとて可愛い息子には幸せになって欲しい。だからお前に似合いの、お前を幸せにしてくれる女性を選んだつもりだ」
「あら、結婚とは女性を幸せにするものよ」
クスクスと笑う郁未の母親は幸せそうに「そうでしょ?」と俊夫に寄り添う。
「息子の前でよさないか」
頬をほんのり赤く染める俊夫。妻の前では子の親と言うより良き夫の顔へと変わる。それは、俊夫が、妻として女としての母を愛していると、郁未に嫌というほど伝わる。
自分も両親のような夫婦になりたいと願ってはいるが、その相手は留美なのだと今更ながら郁未は思い知る。