あなたとホワイトウェディングを夢みて
「大丈夫だ、息子に任せとけ。アイツなら両家の跡取りを何人も産んでくれるぞ」
「跡取りなんぞ一人いれば十分だろ」
「いや、一人では安心できんな。多ければ多いほどいい」
披露宴会場の後方では両家の父親が跡取りとなる子供の数で言い争いを始めていた。その騒動に気付いた他の客らは二人のやりとりに興味を示し、一斉に披露宴会場の視線が父親へと集まる。
「ねえ、あの二人って本当に親友なの?」
「たぶん、きっとそうなんだろう。親父があそこまで砕いて会話する相手なんだ……」
披露宴会場の華やかな舞台、新郎新婦の後方には金屏風と季節の素晴らしい花々が生けられた大きな花瓶が飾られ、出席者の誰もが見惚れてしまいそうな装飾だが、皆の心は最後列の親へと引きつけられている。
会社役員をはじめ、その他の客から祝辞を受け終わったばかりで、粛粛と進んでいたのに、父親の会話にすっかり場の雰囲気がお流れになったのを見て、スタッフが留美にお色直しを促し退場させた。
「また着替えるんですか?」
何も聞かされていなかった留美はスタッフに連れて行かれるままに、新婦の控え室へと向かった。そして、そこでは郁未が思い描いていた留美の美しいウェディングドレス姿へと変えられていく。
最後のお色直しが終わった留美が披露宴会場へと入っていく。
すると、快晴の庭園に上空から雪のようなふわふわとしたものが舞い落ちる。
「素敵……」
「これ、本物の雪?」
「冷たいわ、これ、雪よ」
「すっげーな、どうやってるんだ?」
留美の登場と同時に結婚行進曲が流れるが、それに合わせて空からは粉雪が舞い散る。
「留美……きれいだ」
郁未はウェディングドレスを下見した時から留美に似合いそうなドレスだと思っていた。しかし、想像以上に愛らしい留美に郁未は魅了される。
留美がそばまでやって来ると、すぐさま郁未は跪き留美の右手を掴んだ。そして、留美の手を自分の額に当て祈るような仕草をすると、次に自らの唇に当てた。
「恥ずかしいわ……」
やはり披露宴で一番目立つのは花嫁だ。
留美が会場入りしただけでも一斉に会場の視線を集めるのに、その花嫁の前に跪く新郎に誰もが期待の目を向ける。
「跡取りなんぞ一人いれば十分だろ」
「いや、一人では安心できんな。多ければ多いほどいい」
披露宴会場の後方では両家の父親が跡取りとなる子供の数で言い争いを始めていた。その騒動に気付いた他の客らは二人のやりとりに興味を示し、一斉に披露宴会場の視線が父親へと集まる。
「ねえ、あの二人って本当に親友なの?」
「たぶん、きっとそうなんだろう。親父があそこまで砕いて会話する相手なんだ……」
披露宴会場の華やかな舞台、新郎新婦の後方には金屏風と季節の素晴らしい花々が生けられた大きな花瓶が飾られ、出席者の誰もが見惚れてしまいそうな装飾だが、皆の心は最後列の親へと引きつけられている。
会社役員をはじめ、その他の客から祝辞を受け終わったばかりで、粛粛と進んでいたのに、父親の会話にすっかり場の雰囲気がお流れになったのを見て、スタッフが留美にお色直しを促し退場させた。
「また着替えるんですか?」
何も聞かされていなかった留美はスタッフに連れて行かれるままに、新婦の控え室へと向かった。そして、そこでは郁未が思い描いていた留美の美しいウェディングドレス姿へと変えられていく。
最後のお色直しが終わった留美が披露宴会場へと入っていく。
すると、快晴の庭園に上空から雪のようなふわふわとしたものが舞い落ちる。
「素敵……」
「これ、本物の雪?」
「冷たいわ、これ、雪よ」
「すっげーな、どうやってるんだ?」
留美の登場と同時に結婚行進曲が流れるが、それに合わせて空からは粉雪が舞い散る。
「留美……きれいだ」
郁未はウェディングドレスを下見した時から留美に似合いそうなドレスだと思っていた。しかし、想像以上に愛らしい留美に郁未は魅了される。
留美がそばまでやって来ると、すぐさま郁未は跪き留美の右手を掴んだ。そして、留美の手を自分の額に当て祈るような仕草をすると、次に自らの唇に当てた。
「恥ずかしいわ……」
やはり披露宴で一番目立つのは花嫁だ。
留美が会場入りしただけでも一斉に会場の視線を集めるのに、その花嫁の前に跪く新郎に誰もが期待の目を向ける。