あなたとホワイトウェディングを夢みて
「申し訳ありません。出来上がったデータを直ぐに提出した方が良いかと思って。ですが、出直してきます」
相手の都合も聞かずにいきなり訪れた自分の落ち度を、留美が素直に謝罪し出て行こうとする。
すると、ソファから立ち上がった俊夫が『待ちなさい』と、留美を引き留めた。
「データの提出なら少しでも早い方が良い。確か、君は……」
「情報処理課の佐伯留美と言います。社長がいらっしゃるとは存じませんで失礼致しました」
留美は俊夫の方へ向き直り、深く会釈する。
顔を上げた留美の顔を見て、俊夫が頷く。
「ああ、……なるほど、君が佐伯留美さんか。いやいや、いいよ、気にせずに。用があれば済ませてしまいなさい。私なら気にしなくても構わないよ」
そう言うと俊夫は再びソファーに腰かけた。いつまで居座るつもりなのか苛立ちの矛先が留美へ向く。
「今度は注文通りに出来たのか?」
「はい、昨日は申し訳ありませんでした。こちらの確認ミスでした」
謝罪はしたものの最後の最後まで自分のプログラムミスと言わない留美に、郁未の気が苛立つ。