あなたとホワイトウェディングを夢みて

 情報処理課へ戻って来た留美が、自分のデスクに座り、預かって来た資料に目を通すと、かなり険しい顔へと変わって行った。
 そして、椅子を少し後ろへ下げると、脚を組んでは腕も組み、まるで専務の生き写しの様に偉そうな態度に変わる。

「やってやろうじゃないの」

 そう言って目を閉じた留美は瞑想しているのか、微動だにしなくなる。
 専務室から戻るなり不可解な態度の留美を見て、課長も田中も何か問題でも起きたのだろうかと、二人顔を見合わせる。
 しばらく瞑想を続けること三十分。留美が瞼をパチッと開けると、キーボードに向かって手を差し出した。
 画面にプログラム用のエディターを起動させると、そこへ英数文字を次々とタイピングしていく。

「そうね、こんなものかしら?」

 フフッと不気味に笑う留美だが、その表情はかなり険しい。
 ブツブツと独り言を言う留美を見て、仕事の手を止めた田中が課長へ留美の異変を伝える。

「何か変ですよね、課長?」
「佐伯君は体調不良なのか?」

 もしや専務室で何かあったのではと、二人はそう勘ぐる。これは情報処理課の一大事だと思えた二人は、留美が持ってきた資料を取り上げて急いで内容を調べた。

「これ、専務からの新たな仕事ですか?」
「しかし、これは……」
「ですよね、課長。受付係でも出来そうな表ですよ」

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