あなたとホワイトウェディングを夢みて

 『償い』とは恥をかけと言う意味ではないのかと、郁未の日頃の態度からそんな疑問が湧く留美だが、その後予想もしない展開が待ち受けていた。
 連れて行かれた高級エステティックサロンを、高級ホテルと誤解したと気付くまでに時間はかからなかった。
 豪華なエントランスを通り抜け、ホテルのロビーさながらの吹き抜けがある受け付けを通り過ぎる。毛足が長くエンジ色の絨毯張りの廊下。案内される部屋へ行き着くまでの間に一息つける休憩スペースがあり、刺繍入りクッションが並ぶソファと西洋の絵画が飾られている。どれもゴージャス過ぎて溜め息の連続だ。
 そして、案内された部屋へ入ると、そこも異空間の様な素晴らしさと思いきやシンプルな部屋で、中央にピンクのカーテンで仕切られたシングルサイズのベッドがあるだけ。しかも、診察台に似たベッドが。

「では早速始めますから、全部脱いで下さいね」
「は?」

 全裸になった留美はそれだけで思考回路が止まってしまった。
 言われるままに裸体でベッドにうつ伏せになり寝そべると、白衣姿の女性に全身を揉みほぐされマッサージされる。その手の柔らかさと程よい指の圧力に次第に心地よくなると、恥じらいも郁未の謎もどうでも良くなる。
 肩の張りや凝りが解れていくと、今度はバスタオル一枚体に巻き付け、隣の部屋へと案内されて行く。

「素敵……」

 思わず息を飲んだ留美が見た物は、薔薇の香りが充満するピンクで統一された浴室だ。円形の浴槽の水面には薔薇の花弁が敷き詰められ、とても甘い香りが漂ってくる。
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