狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
真っ暗な部屋に、明かりはテレビ画面の光だけ。
チカチカと青白く浮かび上がるのは、しなやかに鍛えられた素肌の曲線。
その一部、彼の腕がゆるりと私に伸びてきた。

細くて長い、器用そうな指。
それが、私のカタチの1つ1つを確かめながら、壊れ物みたいに丁寧に触れてゆく。

手の指の1本ずつをなぞって、それから腕、肩、鎖骨……胸。次第に中心へと滑る。

擽ったいようなそれとも違う感覚に、ギュッと身を縮め、息を殺していると、彼は困ったように微笑んだ。

「もっと…素直に感じて?」

そんなコトを言われても…
どうしていいか分からない。

戸惑いながら見つめた私に、彼はまた苦笑いした。

「そうだ、前に言ってた。ここが弱いんだったっけ?」

囁きながら、耳の形を唇でなぞる。
さっきと同じに、そのまま順に下に降りていく。首筋から鎖骨、胸……

唇が胸の尖りに到達し、それを柔らかに咥えられると、妙な疼きに耐えきれずに小さな呻きがもれた。

うう…恥ずかしい。

恥じ入る私に、彼は嬉しそうに言った。

「それでいい」

彼はテレビのリモコンを操って、もう2つ音量を上げた。
< 245 / 269 >

この作品をシェア

pagetop