狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
気まずい沈黙。



とうとう、
シビレを切らした三上さんが
恐る恐る彼に訊ねた。

「……ダメ、だったんですね?
カチョー」

ザワザワと小さな声が伝播した。

(ウソ…何でだよ……
やっぱ早すぎるってか)
(もしかして見合い失敗した?)

ああ、違うの彼は……

(…じゃあ、どこ行くんだあの人)
(来年もうちにいるんかな、ブルブル)

いいえ違うの。彼は…4月からはもう…

私は堪らず声を張り上げた。

「違うんですっ‼実はカチョーは…」

が、次の瞬間___ 



「え、オッケー……だった?」

スットンキョーな三上さんの声とともに、得意気にニヤッと笑って、左手に小さな“グッド” サインをつくった大神カチョー。

「も~、カチョーったら。
勿体ぶらないでくだいよ」

三上さんの声と同時に。
にわかに沸いた歓声に、私の声は掻き消された。

皆に囲まれて拍手喝采を浴びながら、彼は得意気にチラと私に目配せした。

う…そ?
なんで?

キツネにつままれたような気分のまま、その自信に満ちた姿にやがて、私の目から涙が溢れた。
 

やっぱり彼は、こうでなくっちゃ。
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