狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
おもむろに彼が口を開いた。

「…本当はな。
……確かめに帰ってきたんだ。

不安で…たまらなくなって。
ちゃんとここに君がいるのか、
夢じゃないかって気がしてきたから…」

そんな…

私も今ちょうどそう思ってましたよぉ。

うるうると彼を見上げると、照れ臭そうにはにかんで自分の側に引き寄せた。

瞳を閉じて、浅く口づける。

「赤野…」
「カチョー…」

見つめ合い、もう一度深い口づけを交わそうとした時だ。


♪ピンポーン♪


私の胸ポケットでアイフォンが鳴った。
(“家族割” にしちゃったの!) 

画面を開くと、
昨夜、東京駅まで送ってくれて
“元気でね” と盛大に抱き合った(そしてカチョーに盛大にハタかれた)人のフザけた顔写真と長いメッセージがあった。

「あれ、三上さんだ」

名前を聞いて、彼がニュッと横から覗きこむ。

『やあ、元気?
こっちは君が居なくなって火が消えたみたい、サミシイヨ~⤵⤵

ところで。
こっちのオッズが決まったので発表するね。賭けが成立しないから、定期的に経過報告すること!

【大神カチョー&赤野ちゃんがいつまでもつか in業務課】

結婚式まで持たない 8人
~3ヶ月 5人
~半年 7人
1~3年 6人 
別れない 1人』

賭けるな!

「あいつらぁ~…」
彼は苦い顔をしている。
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