柚時雨
───「里奈、サンキュ」
なんとか無事に授業が終わり
俺は里奈にノートを渡した。
「今日は寝てないと思ったら…
な~にボケッとしてるの?」
里奈はそう言って
呆れた表情で俺を見た。
「いや…、色々考えてた」
「なに?悩み?」
「よく分かんねぇや」
俺がそう呟くと
里奈は不思議そうな顔をした。
でも、本当に、よく分からない。
あの公園にいた彼女が
俺の頭の中から離れないことが。
今でも何故か
心臓がうるさくて、熱くて
何度もあの光景が
フラッシュバックしているのだ。