柚時雨
まさか、と思った。
この場所が、あの公園が見える道とは
気づかなかった。
そして
大雨の中、傘もささずに
公園の地面に、崩れるように
座り込んだのが
ゆい子だなんて………。
「そっ…奏ちゃん!?」
気づくと、俺の足は
あの公園へと駆け出していた。
声を上げた里奈は
俺に押し当てられた傘をさして
俺の後ろを駆けた。
ピシャピシャと水溜まりを踏み
俺は走る。
でも、突然里奈が俺の手を引き
ぐっと掴んで離さない。
「奏ちゃん待って!」
まだ涙を流しながら
震える声で大きく叫ぶ。
すると、里奈は俺に
あのビニール傘を俺に突き出した。