彫師と僕の叶わなかった恋
出会い・・・・6
たったこれだけの会話なのに、何故か僕は喉がカラカラになっていた。
まさか僕の事を覚えていて、くれていたとは思ってもいなかったので
嬉しかった。
それに今まで節約して来たから、初回のスジ彫り分の貯金はある。
更に実際に彫る日までは、もう少し時間が有るからお金も貯められるので
前回よりは切りつめないでも彫れるだろう。
もうすぐAkiさんに会えると思うと、平凡な日々の中でも張り合いも出た。
ようやく予約日になり、スタジオに行くとAkiさんが
「お久しぶりです、安藤さん」
と言って迎えてくれた。
「こちらこそお久しぶりです、Akiさんお元気でしたか?」
と挨拶を終えると早速にデザインの打ち合わせに入った。
「今回は前回左肩に入れたデザインを少しアレンジする方向で
大きさとかは変えなくて大丈夫ですか?」
とAkiさんから問いかけられた。
僕は「はい、大きさも、デザインも似た感じで行こうかと思っているんですけど
細かい部分はよく分らなかったので相談しながらの方が色々と
アドバイスをもらえると思ったのであまり細かくは決めて来てなかったんです。済みません」
” 嘘 ”だった、本当は少しでもAkiさんと話す時間が欲しかったから
敢えて決めて来なかったのだ。
するとAkiさんは何冊かの雑誌を持って僕の横に座りページをめくり始めた。
ページをめくりながら
「こんなのどうですか?」
「ああ、それいい感じですね」
「こっちの感じなんかはどうですか?」
「あ、それも捨てがたいですね」
「思い切って、こんなのにしませんか?」
「それって、子供向けのキャラクターじゃいですか~
Akiさんそれだけはやめてくださいよ」
「冗談ですよ、冗談」
などと和気あいあいとした感じでデザインを決めていた。
急に何かに見つめられている気がして、ふと視線を上げると
カウンターからレイさんがこちらをじっと見ていた。
無事にデザインの打ち合わせも終わり、最終的には元々僕の考えていた
左肩のデザインを崩さずAkiさんにアレンジしてデザインしてもらう
事になった。
僕はAkiさんとこんなに長く、楽しく打ち合わせが出来て嬉しかった。
Akiさんが最後に
「両肩にこんなに大きいの入れて本当に大丈夫なんですか?」
と聞いたので、僕は「ばれない様にします」と言って笑った。
Akiさんが
「実際の彫る日にちなんですけど、一か月後でもいいですか?
もしご都合が悪ければ、それ以降なら空きが有りますけど」
「あ、いえ、一ヶ月後でお願いします」
「では、一ヶ月後でお取しますので、当日は宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
と言って僕はスタジオを去った。
僕は元々、人と話をするのが得意ではないし、考えてみれば由利と別れてから
あんなに近くで女性と話した事などない。
自分でも良くは分からないけど、Akiさんとは
ごく普通に話をする事が出来た。
不思議な魅力を持った人だ。
これでまたAkiさんと会うチャンスを作れた事に、僕は何だか嬉しくなり
彫ればAkiさんに会える!そう思い始めていた。
★★Akiもマサルが帰った後、不思議な気分になっていた。
男性が圧倒的に多い仕事なので、男性と事務的な会話をする事は有ったが
それでも少し避けているところがあったのに。
でも、何故かマサルには不思議と普通に話しをしている
自分が信じられなかった。
でも“もうあんな思いはしたくない”と言う事を思い出し
マサルとの会話を思い出さない様にした★★
たったこれだけの会話なのに、何故か僕は喉がカラカラになっていた。
まさか僕の事を覚えていて、くれていたとは思ってもいなかったので
嬉しかった。
それに今まで節約して来たから、初回のスジ彫り分の貯金はある。
更に実際に彫る日までは、もう少し時間が有るからお金も貯められるので
前回よりは切りつめないでも彫れるだろう。
もうすぐAkiさんに会えると思うと、平凡な日々の中でも張り合いも出た。
ようやく予約日になり、スタジオに行くとAkiさんが
「お久しぶりです、安藤さん」
と言って迎えてくれた。
「こちらこそお久しぶりです、Akiさんお元気でしたか?」
と挨拶を終えると早速にデザインの打ち合わせに入った。
「今回は前回左肩に入れたデザインを少しアレンジする方向で
大きさとかは変えなくて大丈夫ですか?」
とAkiさんから問いかけられた。
僕は「はい、大きさも、デザインも似た感じで行こうかと思っているんですけど
細かい部分はよく分らなかったので相談しながらの方が色々と
アドバイスをもらえると思ったのであまり細かくは決めて来てなかったんです。済みません」
” 嘘 ”だった、本当は少しでもAkiさんと話す時間が欲しかったから
敢えて決めて来なかったのだ。
するとAkiさんは何冊かの雑誌を持って僕の横に座りページをめくり始めた。
ページをめくりながら
「こんなのどうですか?」
「ああ、それいい感じですね」
「こっちの感じなんかはどうですか?」
「あ、それも捨てがたいですね」
「思い切って、こんなのにしませんか?」
「それって、子供向けのキャラクターじゃいですか~
Akiさんそれだけはやめてくださいよ」
「冗談ですよ、冗談」
などと和気あいあいとした感じでデザインを決めていた。
急に何かに見つめられている気がして、ふと視線を上げると
カウンターからレイさんがこちらをじっと見ていた。
無事にデザインの打ち合わせも終わり、最終的には元々僕の考えていた
左肩のデザインを崩さずAkiさんにアレンジしてデザインしてもらう
事になった。
僕はAkiさんとこんなに長く、楽しく打ち合わせが出来て嬉しかった。
Akiさんが最後に
「両肩にこんなに大きいの入れて本当に大丈夫なんですか?」
と聞いたので、僕は「ばれない様にします」と言って笑った。
Akiさんが
「実際の彫る日にちなんですけど、一か月後でもいいですか?
もしご都合が悪ければ、それ以降なら空きが有りますけど」
「あ、いえ、一ヶ月後でお願いします」
「では、一ヶ月後でお取しますので、当日は宜しくお願いします」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
と言って僕はスタジオを去った。
僕は元々、人と話をするのが得意ではないし、考えてみれば由利と別れてから
あんなに近くで女性と話した事などない。
自分でも良くは分からないけど、Akiさんとは
ごく普通に話をする事が出来た。
不思議な魅力を持った人だ。
これでまたAkiさんと会うチャンスを作れた事に、僕は何だか嬉しくなり
彫ればAkiさんに会える!そう思い始めていた。
★★Akiもマサルが帰った後、不思議な気分になっていた。
男性が圧倒的に多い仕事なので、男性と事務的な会話をする事は有ったが
それでも少し避けているところがあったのに。
でも、何故かマサルには不思議と普通に話しをしている
自分が信じられなかった。
でも“もうあんな思いはしたくない”と言う事を思い出し
マサルとの会話を思い出さない様にした★★