彫師と僕の叶わなかった恋
出会い・・・・5
それから幾日かの間、僕は考えていた。
“もし僕にも子供がいたら丁度Akiさんぐらいの歳になっていたんだろうなー”
“そうしたら僕は彫師になる事を許しただろうか?”
などと、いつしか僕はAkiさんを自分の娘に置き換えて
考えてしまう様になっていた。
また会いたいな。
でも、会う為には彫らないと会えない。
今はまだ、彫る為のお金も無し、彫る場所が思いつかない。
娘に会えない親の気持ちが、こんな僕にも少しだけ分った様な気がした。
それから数か月はTATTOOの事は忘れて、ちゃんと三食食べる様にしたので
仕事も前よりも元気に取り組めたし、勇気を持って、若いスタッフの子達にも
話し掛けると意外にも気さくに話をしてくれた。
もしかして、これもTATTOOの効果なのかも知れないな
と思える程自分に自信を持つ事が出来た。
少し余裕が出て来たが、給料は無駄遣いしない様にして貯金に回す様にした。
何の変哲もない、平凡な毎日だったが、僕は久しぶりに送る
この平凡だけど安定した生活が何よりも快適だった。
この頃になると、僕はもうAkiさんの事を思い出す事も少なくなっていた。
と言うよりは考えない様にしていた。
“現実的には、僕には娘はいないのに、Akiさんにそれを重ね合わせ考えても
自分の娘になる訳では無いし、よく考えてみれば僕はAkiさんの事をまだ
何も知らないから”と思うようにしていた。
そんなある日の夜、疲れて仕事から帰って来て、シャワーを浴びようとして
ふと鏡を見ると何だか片方だけのTATTOOだと
何か物足りないような気がして来た。
一つ彫った僕はもうTATTOOを彫る事への抵抗感は無くなっていた。
それに、一か所彫るとまた別の場所にも彫りたくなるものだと立川君に
聞いた事が有った様な気もするし
今の僕が正にそうだった。
新しい楽しみを見つけた僕は、まだ彫ると決めた訳ではないのに
どんなデザインにするか仕事の休み時間や寝る前などに
考えてはニヤニヤする楽しい日々を過ごしていた。
最終的に、僕が考えたイメージは原点に立ち帰り、左肩に入れたTATTOOを
Akiさんにアレンジして右肩にも、入れてもらう方がバランス的に
いいのではないいかと言う結論に達し、もう自分で自分が止められなくなった僕は
スタジオに予約の電話を入れた。
予約の電話をすると三コールでAkiさんが出た。
Akiさんが電話に出るとは思っていなかった僕は、慌ててしまい
危なく電話を切りそうになった。
僕は「以前お世話になった安藤ですが、また予約お願いしたいのですが」
と要件を伝えると。
Akiさんは「お久しぶりです、お元気ですか安藤さん。すいません。
今は結構予約が入っていて早くても来月になってしまいますが
大丈夫ですか?」
と予約の状況を説明してくれた。
僕はそんなに待てなかったが
「はい、予約できる一番早い日でお願いします」
と言いながら、僕は“どうか、なるべく早くに予約が取れますように”
と祈るような思いでAkiさんの回答を待った。
Akiさんは予約表を調べてくれているようだった。
暫くして「お待たせしました、今ですと十二月十五日が最短で空いてますが
その日で大丈夫ですか?」
と教えてくれた。
“来月の中旬か~だけどそんなに早く予約が取れるとは思ってもいなかったので
僕は「それで構いません」と答えた。
「それでは十二月月十五日十二時にお待ちしてますね」と言って電話を切った。
それから幾日かの間、僕は考えていた。
“もし僕にも子供がいたら丁度Akiさんぐらいの歳になっていたんだろうなー”
“そうしたら僕は彫師になる事を許しただろうか?”
などと、いつしか僕はAkiさんを自分の娘に置き換えて
考えてしまう様になっていた。
また会いたいな。
でも、会う為には彫らないと会えない。
今はまだ、彫る為のお金も無し、彫る場所が思いつかない。
娘に会えない親の気持ちが、こんな僕にも少しだけ分った様な気がした。
それから数か月はTATTOOの事は忘れて、ちゃんと三食食べる様にしたので
仕事も前よりも元気に取り組めたし、勇気を持って、若いスタッフの子達にも
話し掛けると意外にも気さくに話をしてくれた。
もしかして、これもTATTOOの効果なのかも知れないな
と思える程自分に自信を持つ事が出来た。
少し余裕が出て来たが、給料は無駄遣いしない様にして貯金に回す様にした。
何の変哲もない、平凡な毎日だったが、僕は久しぶりに送る
この平凡だけど安定した生活が何よりも快適だった。
この頃になると、僕はもうAkiさんの事を思い出す事も少なくなっていた。
と言うよりは考えない様にしていた。
“現実的には、僕には娘はいないのに、Akiさんにそれを重ね合わせ考えても
自分の娘になる訳では無いし、よく考えてみれば僕はAkiさんの事をまだ
何も知らないから”と思うようにしていた。
そんなある日の夜、疲れて仕事から帰って来て、シャワーを浴びようとして
ふと鏡を見ると何だか片方だけのTATTOOだと
何か物足りないような気がして来た。
一つ彫った僕はもうTATTOOを彫る事への抵抗感は無くなっていた。
それに、一か所彫るとまた別の場所にも彫りたくなるものだと立川君に
聞いた事が有った様な気もするし
今の僕が正にそうだった。
新しい楽しみを見つけた僕は、まだ彫ると決めた訳ではないのに
どんなデザインにするか仕事の休み時間や寝る前などに
考えてはニヤニヤする楽しい日々を過ごしていた。
最終的に、僕が考えたイメージは原点に立ち帰り、左肩に入れたTATTOOを
Akiさんにアレンジして右肩にも、入れてもらう方がバランス的に
いいのではないいかと言う結論に達し、もう自分で自分が止められなくなった僕は
スタジオに予約の電話を入れた。
予約の電話をすると三コールでAkiさんが出た。
Akiさんが電話に出るとは思っていなかった僕は、慌ててしまい
危なく電話を切りそうになった。
僕は「以前お世話になった安藤ですが、また予約お願いしたいのですが」
と要件を伝えると。
Akiさんは「お久しぶりです、お元気ですか安藤さん。すいません。
今は結構予約が入っていて早くても来月になってしまいますが
大丈夫ですか?」
と予約の状況を説明してくれた。
僕はそんなに待てなかったが
「はい、予約できる一番早い日でお願いします」
と言いながら、僕は“どうか、なるべく早くに予約が取れますように”
と祈るような思いでAkiさんの回答を待った。
Akiさんは予約表を調べてくれているようだった。
暫くして「お待たせしました、今ですと十二月十五日が最短で空いてますが
その日で大丈夫ですか?」
と教えてくれた。
“来月の中旬か~だけどそんなに早く予約が取れるとは思ってもいなかったので
僕は「それで構いません」と答えた。
「それでは十二月月十五日十二時にお待ちしてますね」と言って電話を切った。