彫師と僕の叶わなかった恋
気付き ・・・・3
「お客様すみません。この部分はちょっと難しい部分でレイも力を
入れ過ぎてしまったようで、デザインには影響しませんので
安心して下さい」
僕はちょっとした好奇心で、隣のブースを覗きに行った。
話はまだ続いていて
「勿論、担当も変えさせて頂きますし
代金は頂きませんので許して頂けませんでしょうか」
女性客は「それなら、いいですけど担当は変えて下さい
この人信用出来ませんから」
と言って不承不承承諾した。
その時だった、僕はレイさんと目があってしまった。
気付いたレイさんは自分の失態を見られた恥ずかしさから
物凄い顔で僕を睨んで来たので僕は怖くなってしまい
Akiさんのブースに逃げ込んだ。
暫くして、Akiさんが「お待たせして済みませんでした」
と言いながら戻って来て作業を再開した。
また“ジー、ジー”と単調な機械音だけの世界に浸っていた。
昨日は徹夜で仕事だったので、どの位経ってからかは
覚えていないけど、僕はこの単調なリズムに強烈な眠気を覚え始めた。
「揺らさないでください」と言うAkiさんの声で我に返り
また暫くすると、「揺らさないでください」と言われた。
僕は寝ない様に、あっちこっちをつねって
何とか最後まで寝ないで彫り終わる事が出来た。
もう、立つのもやっとだったので、僕は楽しみにしていた
終わった後の、Akiさんとのおしゃべりも出来ずに
会計をして店を出ようとした時、急に目の前に銀色の羽虫の様な物が
沢山飛び回った。
どの位経たのだろう?店から出ようとした時からの記憶が
思い出せない。
目を覚まして、天井を見た。
家の天井とはまるで違いとても高い天井で
そして何故か僕の布団がベッドに変わっていた。
僕は朦朧としていたが、家に帰ったのでは無い事に気が付いた。
周りを見渡すとやはり点滴があり
その反対側には・・・・Akiさんが!
どうしてここにAkiさんがいるのか
そっちの方が僕には、理解できなかった。
するとAkiさんが
「気が付きました?店で急に倒れたんですよ
本当にビックリしましたよ」と事情を教えてくれた。
僕は「Akiさん、お店の方は大丈夫なんですか?
この後予約入っていたんじゃ無いですか?」
と尋ねると、「あ、それは大丈夫ですよ、お店20時までなんで
今日は安藤さんで最後でしたから。でも、これで残業に
成っちゃいましたけどね」と言って笑った。
そして「来た時から調子が悪そうに見えましたけど
本当に仕事が忙しかっただけ、だったんですか?」
と尋ねられた。
僕は僕を心配してくれる人がいた事、そばに付いていてくれる人がいた事
がとても嬉しくて、つい泣き出してしまった。
Akiさんは「どうしたんですか?何か辛い事でもあったんですか?」
と優しく聞いてくれた。
僕は、今思うと何であんな事を話したのか理解できないが
元妻にお金を持ち逃げされた事やそのせいでアルバイトを
掛け持ちしていた事を正直に話してした。
一通り話を聞いてくれたAkiさんは
「次回の予約の日は体調万全で来てくださいね」
と言って帰って行った。
僕はその後ろ姿を見ながら何故かまた泣いていた。
点滴が終わると医師から
「今日は一日、家で安静にしていて下さい」と言われ家に帰った。
家に帰り一人ぼっちの部屋で、自分を心配してくれる人がいた事
側に付き添ってくれた人がいた事が嬉しくてAkiさんに感謝した。
由利と離婚した時には、やけになっていた事も有り“二度と結婚なんかしないで
一人で気ままに生きて行こう”と決めたのに今日の出来事で
その決心が少し揺らいでしまった。
★★Akiの方も、自宅に戻り、ソファーに腰かけて
今日の事を思い出していた。
レイの言う通り、他のお客さんより少しあの人には深入りをし過ぎてる。
でも何故かあの人に会うと自分が素直に成れるし
つい面倒を見てしまいたくなる。
何時からなんだろう?
何故なんだろう?
Akiはそれでも、その感情を認めず、自分の大切にしなければならない過去
自分で誓った裏切れない過去の思い出を背負って生きる事を思い出していた。
もうあんな思いをするのは嫌だと★★
「お客様すみません。この部分はちょっと難しい部分でレイも力を
入れ過ぎてしまったようで、デザインには影響しませんので
安心して下さい」
僕はちょっとした好奇心で、隣のブースを覗きに行った。
話はまだ続いていて
「勿論、担当も変えさせて頂きますし
代金は頂きませんので許して頂けませんでしょうか」
女性客は「それなら、いいですけど担当は変えて下さい
この人信用出来ませんから」
と言って不承不承承諾した。
その時だった、僕はレイさんと目があってしまった。
気付いたレイさんは自分の失態を見られた恥ずかしさから
物凄い顔で僕を睨んで来たので僕は怖くなってしまい
Akiさんのブースに逃げ込んだ。
暫くして、Akiさんが「お待たせして済みませんでした」
と言いながら戻って来て作業を再開した。
また“ジー、ジー”と単調な機械音だけの世界に浸っていた。
昨日は徹夜で仕事だったので、どの位経ってからかは
覚えていないけど、僕はこの単調なリズムに強烈な眠気を覚え始めた。
「揺らさないでください」と言うAkiさんの声で我に返り
また暫くすると、「揺らさないでください」と言われた。
僕は寝ない様に、あっちこっちをつねって
何とか最後まで寝ないで彫り終わる事が出来た。
もう、立つのもやっとだったので、僕は楽しみにしていた
終わった後の、Akiさんとのおしゃべりも出来ずに
会計をして店を出ようとした時、急に目の前に銀色の羽虫の様な物が
沢山飛び回った。
どの位経たのだろう?店から出ようとした時からの記憶が
思い出せない。
目を覚まして、天井を見た。
家の天井とはまるで違いとても高い天井で
そして何故か僕の布団がベッドに変わっていた。
僕は朦朧としていたが、家に帰ったのでは無い事に気が付いた。
周りを見渡すとやはり点滴があり
その反対側には・・・・Akiさんが!
どうしてここにAkiさんがいるのか
そっちの方が僕には、理解できなかった。
するとAkiさんが
「気が付きました?店で急に倒れたんですよ
本当にビックリしましたよ」と事情を教えてくれた。
僕は「Akiさん、お店の方は大丈夫なんですか?
この後予約入っていたんじゃ無いですか?」
と尋ねると、「あ、それは大丈夫ですよ、お店20時までなんで
今日は安藤さんで最後でしたから。でも、これで残業に
成っちゃいましたけどね」と言って笑った。
そして「来た時から調子が悪そうに見えましたけど
本当に仕事が忙しかっただけ、だったんですか?」
と尋ねられた。
僕は僕を心配してくれる人がいた事、そばに付いていてくれる人がいた事
がとても嬉しくて、つい泣き出してしまった。
Akiさんは「どうしたんですか?何か辛い事でもあったんですか?」
と優しく聞いてくれた。
僕は、今思うと何であんな事を話したのか理解できないが
元妻にお金を持ち逃げされた事やそのせいでアルバイトを
掛け持ちしていた事を正直に話してした。
一通り話を聞いてくれたAkiさんは
「次回の予約の日は体調万全で来てくださいね」
と言って帰って行った。
僕はその後ろ姿を見ながら何故かまた泣いていた。
点滴が終わると医師から
「今日は一日、家で安静にしていて下さい」と言われ家に帰った。
家に帰り一人ぼっちの部屋で、自分を心配してくれる人がいた事
側に付き添ってくれた人がいた事が嬉しくてAkiさんに感謝した。
由利と離婚した時には、やけになっていた事も有り“二度と結婚なんかしないで
一人で気ままに生きて行こう”と決めたのに今日の出来事で
その決心が少し揺らいでしまった。
★★Akiの方も、自宅に戻り、ソファーに腰かけて
今日の事を思い出していた。
レイの言う通り、他のお客さんより少しあの人には深入りをし過ぎてる。
でも何故かあの人に会うと自分が素直に成れるし
つい面倒を見てしまいたくなる。
何時からなんだろう?
何故なんだろう?
Akiはそれでも、その感情を認めず、自分の大切にしなければならない過去
自分で誓った裏切れない過去の思い出を背負って生きる事を思い出していた。
もうあんな思いをするのは嫌だと★★