彫師と僕の叶わなかった恋
出会い ・・・・3
これといった趣味も無く、ただ単調な日々を過ごしていた僕にも
ようやく楽しみが見つかった。
数日待ってもデザイン案は中々来ず、変わらぬ生活を送っていたが
ようやく待ちに待った、デザイン案のメールが届いた。
メールには“遅くなってすみません。
あの画像からデザインを新たに起こしたので確認をお願いします。
修正が有れば何でもおっしゃってください。
今回の場合、最初だけ一気に『スジ』をいれてしまい
後から色を入れた方がいいので初回だけ八時間×一万五千円程掛かりますが
よろしいですか?”
とあり、僕は金額の事より先に添付されてきた三枚の画像を開いてみた。
正面、背中側、胸側と分り易く描いてあり修正は皆無だったが
知恵を付けてもらって少し欲が出た僕は、ドクロの目を赤くして欲しい旨を
書いて返信した。
数日後、今度はちゃんとドクロの目が赤くなったデザイン画が届いたので
もう待ちきれなくなった僕はメールで”このデザインでOKです。
予算も問題ないです。
予約の方宜しくお願いします”と書いて送った。
送ってから、十二万円ちょっとか~結構高いんだな
その後色入れたら幾らになるだろう?生活は少し苦しくなるな。
でも、あのデザインが自分の腕から肩に入ったらどうなるのだろうか?
僕は、自分自身の何かが変わる様な気がしてその日が来るのが待ち遠しかった。
当日、またお腹が痛くなったので、前回同様早めに家を出てしまった上に
人混みにも揉まれなかったので、そうとう早く着いてしまい
仕方が無いので、また隣のコーヒーショップで時間を潰していた。
でも今回は彫りたい一心だったので、前回の様な緊張は無く
逆に、早く時間が過ぎて欲しいと思っていた。
ようやく時間になり、スタジオの扉を開けると
まさに彫師ですと言わんばかり全身にTATTOOが入ったお兄さんが
カウンターの向こう側に座っていた。
僕の思っていたTATTOOショップのイメージそのものだった。
「いらっしゃいませ、今日は何か」
と向こうから気さくな問いかけが返って来た。
「今日、Akiさんに予約している安藤ですが」
と言うとAkiさんを呼んでくれた。
奥の部屋からAkiさんが出て来たが、最初に来た時には緊張していたせいか
ろくに顔も見ずに話をしていたが
今、正面から歩いてくるAkiさんは可愛かった
Akiさんのブースに入ると少し緊張して来た。
“あのカッターナイフで切ったのよりは痛いんだろうな
でも女の子の手前、痛いなんて言えないし“
なんて誰も何とも思っていない事を勝手に想像して心配になっていた。
少し説明を受け、型紙を張って、早速スジを彫って行った。
“ジー・ジー”と彫ってる最中は機械の音がうるさくて話など出来ないが
Akiさんの顔が近く緊張する。
8時間、ずっと僕の為に休みなしで、真剣な眼差しで彫ってくれている。
僕は痛みなど感じる事も無く、その真剣な横顔をチラチラと盗み見していた。
そんな事をしている内に“スジ”彫が無事終わり
作業中チラチラ見ていたのを感づかれてはいないかとハラハラしていた。
するとAkiさんから
「次の予約ですが何時がよろしいですか?」と聞かれたので
僕は「空いてる日の最短でお願いします」
と言ってその日は家に帰った。
家に帰ると僕はなぜか、中途半端な気持ちになっている事に気が付いた。
TATTOOが一度で完成していないと言うのもそうだけど
それはそんなに問題では無いと思う。
じゃあ何?と言われても僕自身その理由が分らない。
8時間も彫った
疲れ?
緊張?
興奮?
どれもそうで有、どれもそうで無い気がする。
僕は、初めての経験だし、また次回行けば分るだろうと思い
考えるのを止めた。
これといった趣味も無く、ただ単調な日々を過ごしていた僕にも
ようやく楽しみが見つかった。
数日待ってもデザイン案は中々来ず、変わらぬ生活を送っていたが
ようやく待ちに待った、デザイン案のメールが届いた。
メールには“遅くなってすみません。
あの画像からデザインを新たに起こしたので確認をお願いします。
修正が有れば何でもおっしゃってください。
今回の場合、最初だけ一気に『スジ』をいれてしまい
後から色を入れた方がいいので初回だけ八時間×一万五千円程掛かりますが
よろしいですか?”
とあり、僕は金額の事より先に添付されてきた三枚の画像を開いてみた。
正面、背中側、胸側と分り易く描いてあり修正は皆無だったが
知恵を付けてもらって少し欲が出た僕は、ドクロの目を赤くして欲しい旨を
書いて返信した。
数日後、今度はちゃんとドクロの目が赤くなったデザイン画が届いたので
もう待ちきれなくなった僕はメールで”このデザインでOKです。
予算も問題ないです。
予約の方宜しくお願いします”と書いて送った。
送ってから、十二万円ちょっとか~結構高いんだな
その後色入れたら幾らになるだろう?生活は少し苦しくなるな。
でも、あのデザインが自分の腕から肩に入ったらどうなるのだろうか?
僕は、自分自身の何かが変わる様な気がしてその日が来るのが待ち遠しかった。
当日、またお腹が痛くなったので、前回同様早めに家を出てしまった上に
人混みにも揉まれなかったので、そうとう早く着いてしまい
仕方が無いので、また隣のコーヒーショップで時間を潰していた。
でも今回は彫りたい一心だったので、前回の様な緊張は無く
逆に、早く時間が過ぎて欲しいと思っていた。
ようやく時間になり、スタジオの扉を開けると
まさに彫師ですと言わんばかり全身にTATTOOが入ったお兄さんが
カウンターの向こう側に座っていた。
僕の思っていたTATTOOショップのイメージそのものだった。
「いらっしゃいませ、今日は何か」
と向こうから気さくな問いかけが返って来た。
「今日、Akiさんに予約している安藤ですが」
と言うとAkiさんを呼んでくれた。
奥の部屋からAkiさんが出て来たが、最初に来た時には緊張していたせいか
ろくに顔も見ずに話をしていたが
今、正面から歩いてくるAkiさんは可愛かった
Akiさんのブースに入ると少し緊張して来た。
“あのカッターナイフで切ったのよりは痛いんだろうな
でも女の子の手前、痛いなんて言えないし“
なんて誰も何とも思っていない事を勝手に想像して心配になっていた。
少し説明を受け、型紙を張って、早速スジを彫って行った。
“ジー・ジー”と彫ってる最中は機械の音がうるさくて話など出来ないが
Akiさんの顔が近く緊張する。
8時間、ずっと僕の為に休みなしで、真剣な眼差しで彫ってくれている。
僕は痛みなど感じる事も無く、その真剣な横顔をチラチラと盗み見していた。
そんな事をしている内に“スジ”彫が無事終わり
作業中チラチラ見ていたのを感づかれてはいないかとハラハラしていた。
するとAkiさんから
「次の予約ですが何時がよろしいですか?」と聞かれたので
僕は「空いてる日の最短でお願いします」
と言ってその日は家に帰った。
家に帰ると僕はなぜか、中途半端な気持ちになっている事に気が付いた。
TATTOOが一度で完成していないと言うのもそうだけど
それはそんなに問題では無いと思う。
じゃあ何?と言われても僕自身その理由が分らない。
8時間も彫った
疲れ?
緊張?
興奮?
どれもそうで有、どれもそうで無い気がする。
僕は、初めての経験だし、また次回行けば分るだろうと思い
考えるのを止めた。