例えば星をつかめるとして
そんなに、遠いのか。星空を見上げても、叶多を探すことは出来ないのか。
「じゃあ、叶多のいた所からも、地球や太陽は見えないよね」
ふと、逆も然りだろうと思いついて言う。そう考えると、何だか不思議だった。お互い見ることも出来ない宇宙の彼方にいるのに、私たちは知り合って、今、宇宙を見上げているだなんて。
「そうだね。太陽は恒星の中では小さい方だし、見えないな」
「やっぱり、そうなんだ」
「……でも、わかるよ」
「え?」
私は、聞き返す。叶多は不意に真面目な表情になっていた。
「見えなくたって、わかる。澄佳がいる所くらい、わかるよ」
そう言いながら、彼は私の手をぎゅっと握る。
嬉しい。けれど同時に、胸が苦しかった。だって叶多の言葉が、別れを意識したものだと、わかってしまったから。
この繋いだ手が、いつか離れてしまう。姿が見えない場所へ、行ってしまう。時が止まればいいのに、と強く願った。
色々な思いをこめて、私も叶多の手を握り返す。すると、叶多のもう一方の手が、さらにそれに重ねられた。
「澄佳、悲しまないで。君がそんな顔をしていると、僕まで悲しくなってしまう」
「え……」