例えば星をつかめるとして

うん、と頷いて、また夜空を見上げる。本当に、降ってきそうな星空だ。今、私達が浮かんでいることもあって、手を伸ばせば届きそうな気がする。

「落ちてきそう」

思わずそう言うと、隣の叶多がくすりと笑った。

「僕みたいな間抜けな星はそうそういないと思うよ。でも、まあ、そうだね、流れ星くらいなら、流れそうだね」

「うん」

頷きながら、流星に関しての以前の会話を思い出していた。何を願うか、と問われて、私は何も答えられなかったんだっけ。

「ねえ、今もし、星が流れたら、澄佳は何か願うの?」

叶多も同じことを思い出していたらしい。同じ質問をされて、私は少し考えた。

今なら、何を願うだろう。願ってもいいかな、と思えるようなことは、いくつかあったけれど、何かになりたいだとか、あの大学に受かりたいだとかを星に叶えてもらう事は違う気がする。だとしたら。

「……願う、よ」

少し考えて、それだけ答える。どんな願いかは、気恥しいのもあって言わないでおいた。

──今夜、この夜が、私と叶多をずっと繋いでいてくれますように。

時が止まれと願っても、叶多との別れはきっと、すぐそこまで近付いている。だからこそ、繋いでいてほしいと思った。巡り会うはずのない二つの存在に戻ってしまうのではなくて、例えば星空を見上げれば見えなくてもわかるみたいな、そんな繋がりがあってほしいと願った。
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