例えば星をつかめるとして
「……そっか」
私の答えを聞いた叶多は、どこかほっとしたように目を細める。どんな願いかは、聞かれなかった。ただ、安心したように笑みを浮かべている。
その時の、ことだった。
「あっ……!」
私達が、見つめる先。素早く軌跡を描いて、小さな光が流れていく。
──流れ星、だ。
そう思った時にはもちろん、一瞬で消えてしまっていた。私は見間違いではないかと、慌てて叶多を見る。彼も、驚いた表情でそちらを見上げていた。
「澄佳、今の、見た?」
叶多に問われ、私は声も出せずにこくこくと頷く。信じられなかった。今、この瞬間、こんなタイミングで、星が流れてくれるなんて。
奇跡みたいだ、なんて思った。安っぽい言葉で、嫌いだったんだけど、自然とそう思えた。
「叶うよ。きみの願いは、きっと叶うよ……!」
興奮したような叶多の声が響いて、私も不思議と、そう思ったのだった。
──私の願いは、叶う。
* *
それから、また少し星を見て、私たちは帰ることにした。
「意外と、時間たってるね。もう日付が変わりそう」
腕時計を見てそう言うと、彼は驚いた顔で、今日はもう遅いから帰っても勉強しちゃだめだよ、と言ってきた。なんでも、人間の体は寝ないと休まらないから、らしい。