例えば星をつかめるとして
地球に、来た理由。
どんなに態度に害意がなくても、悪意がなくても、その目的が人間に、地球にとって害ではないとは限らない。
「……もしかして、地球征服とか、そういうことを考えてる?」
彼がぴったりと、私の考えている核心を突く言葉を投げかける。
少しだけ迷って、私はゆっくり頷いた。
果たして、彼はどう答えるのだろうか。口を開くまでの時間がすごく長く感じられて、私は目を離せずにじっと見つめる。
「ごめんね、そうだよ……って答えられたら、面白かったんだけど」
身構えていた答えが来た……と思ったら、少々予想とは違うものが返ってきて、私は面食らった。
「……は?」
「うん、ごめんね、ただの事故だったんだ。つまんなくてごめん」
ぺこり、頭を下げる。けれどそういうことじゃない。
「えっと、事故っていうのは」
「ほんとに、事故。軌道を間違えて、気付いたら地球の大気圏に突入してた。まずいなって思ってたら、墜落しちゃった。夢がないよね、ごめん」
「……あ、そう、それなら良いんだけど……」
良いんだけど。すごく良いはずなんだけど。何故それを謝る。