イケメン伯爵の契約結婚事情

「ただ分からないこともあるんだ。あれは根を食す。ならばメラニーや俺の前妻に盛られたものも食材としての入荷があるはずなんだが、その記録が一切ない。カールにも確認してもらっているが、食品庫にもそんな食材は無いという」

「粉状にしているとかじゃないの?」

「その可能性も考えてはいるが、その場合、叔父が実行犯として食材に混入させるのは無理がある。彼が厨房に出入りすれば目立つからな。しかし、今の厨房の人員は厳選して信用のおけるものばかりだ。疑わしいのは叔父付きの側近や侍女たちだが、何か理由がなければ俺の一存で解雇もできない。いろいろ考えたが、もう直接叔父を問い詰めた方が早いかと思ってな。現実にデス・カマスが咲いているところを抑えれば説明しないわけにはいかないだろうし」

「でも、フリードがそこで殺されたらどうするの」

「そうしたら今の情報をベルンシュタイン伯爵に流してくれればいい。そういう意味でも、君が別行動してもらっている方が都合がいいんだ。俺を殺せば、他領土から攻められる。そう思わせることができれば、それは俺の盾になる。でも一緒に行けば、一緒に殺されて事故だったでまとめられて終わりだ」


フリードの言うことは、頭では理解できた。

でも、感情はついていかない。彼に危険があるかもしれないのに、黙って安全なところにいるなんて、落ち着かなくて気持ちがざわざわする。

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