イケメン伯爵の契約結婚事情
*
数日後、夫婦揃って夕食をとっているときに、フリードがおもむろに言い出した。
「明日、叔父上の屋敷に行ってくる。叔父上も同行するから、その間君が屋敷の女主人だ。留守を頼むぞ」
「え?」
エミーリアは、夕食をほおばるフリードをまじまじと見つめる。
「何それ。どうして急に?」
「急でもない。前々から調整していた」
「アルベルト様も一緒ってことは何かあるんでしょう? 私も連れて行って」
「だめだ。危険だから大人しくしていろ」
「危険だから一緒に行きたいって言っているのよ」
ふたりの会話は平行線だ。
前のめりになるエミーリアに、フリードはため息をつく。
ディルクに目くばせをして、軽く人払いができたころ、おもむろに話し始めた。
「……毒の正体が分かったんだ。叔父上の農園で見た紫の花を覚えているか?」
「ええ」
「あれはカマスという植物で食用になる。しかし、それにそっくりの白い花、そちらはデス・カマスと呼ばれ、強い毒性がある」
「あれが?」
エミーリアは丘の上に咲いていた紫の花を思い出す。その奥に、ひっそりと咲いていた白い花も。
数日後、夫婦揃って夕食をとっているときに、フリードがおもむろに言い出した。
「明日、叔父上の屋敷に行ってくる。叔父上も同行するから、その間君が屋敷の女主人だ。留守を頼むぞ」
「え?」
エミーリアは、夕食をほおばるフリードをまじまじと見つめる。
「何それ。どうして急に?」
「急でもない。前々から調整していた」
「アルベルト様も一緒ってことは何かあるんでしょう? 私も連れて行って」
「だめだ。危険だから大人しくしていろ」
「危険だから一緒に行きたいって言っているのよ」
ふたりの会話は平行線だ。
前のめりになるエミーリアに、フリードはため息をつく。
ディルクに目くばせをして、軽く人払いができたころ、おもむろに話し始めた。
「……毒の正体が分かったんだ。叔父上の農園で見た紫の花を覚えているか?」
「ええ」
「あれはカマスという植物で食用になる。しかし、それにそっくりの白い花、そちらはデス・カマスと呼ばれ、強い毒性がある」
「あれが?」
エミーリアは丘の上に咲いていた紫の花を思い出す。その奥に、ひっそりと咲いていた白い花も。