イケメン伯爵の契約結婚事情
*
天気は上々だ。
本邸から叔父の屋敷へは、大体馬で三時間だ。先日は二時間で戻ってきたが、あの強行軍をできる馬はそう多くはない。フリードにとっては若干ゆっくりとも思える速度で、一行は進んでいく。
先行きの馬の後を走るフリードに、アルベルトが後ろから馬を近づけてくる。
フリードの馬の方が一回り大きいので、並ぶと若干アルベルトが小さく感じる。並走しながら、アルベルトは正面を見すえたまま、ふたりにしか聞こえないくらいの声量で話した。
「……どういうつもりだ?」
「何がです?」
「私の領地など先日視察したのだろう」
「……そこで気になるものを見つけたので、叔父上から説明が聞きたいんですよ」
今回は抜き打ちではなく、正式な申し出としての領地視察だ。
今まで頑なにそれを拒んできた叔父も、今回は事前に領地内を見られていることもあってか、すんなり受け入れていた。
ここで証拠があげられなければ、叔父に“言いがかりをつけた”ことになり、フリードの立場は弱くなる。
逆に、ここでしっかり叔父に不正を認めさせることができれば、フリードにとっての脅威は無くなるだろう。
フリードにすれば半分証拠は掴んだつもりでいる。
だから、今回叔父がうろたえたり不審な行動をしたりするのではないかと思っていたのだ。
しかし、実際にこうして馬を並べて会話できるほど堂々としている。
幼いころに憧れた背中を思い出し、フリードは思わず聞いてしまった。
天気は上々だ。
本邸から叔父の屋敷へは、大体馬で三時間だ。先日は二時間で戻ってきたが、あの強行軍をできる馬はそう多くはない。フリードにとっては若干ゆっくりとも思える速度で、一行は進んでいく。
先行きの馬の後を走るフリードに、アルベルトが後ろから馬を近づけてくる。
フリードの馬の方が一回り大きいので、並ぶと若干アルベルトが小さく感じる。並走しながら、アルベルトは正面を見すえたまま、ふたりにしか聞こえないくらいの声量で話した。
「……どういうつもりだ?」
「何がです?」
「私の領地など先日視察したのだろう」
「……そこで気になるものを見つけたので、叔父上から説明が聞きたいんですよ」
今回は抜き打ちではなく、正式な申し出としての領地視察だ。
今まで頑なにそれを拒んできた叔父も、今回は事前に領地内を見られていることもあってか、すんなり受け入れていた。
ここで証拠があげられなければ、叔父に“言いがかりをつけた”ことになり、フリードの立場は弱くなる。
逆に、ここでしっかり叔父に不正を認めさせることができれば、フリードにとっての脅威は無くなるだろう。
フリードにすれば半分証拠は掴んだつもりでいる。
だから、今回叔父がうろたえたり不審な行動をしたりするのではないかと思っていたのだ。
しかし、実際にこうして馬を並べて会話できるほど堂々としている。
幼いころに憧れた背中を思い出し、フリードは思わず聞いてしまった。