イケメン伯爵の契約結婚事情
「皆さま、お茶になさいませんこと?」
「ああ。頂こうか。フリード、少し休憩しよう。冷静になって今後のことも話そうじゃないか」
「……はい」
促され、客間に向かう。
木製のテーブルの上に、菓子が用意されていて、エグモントが人数分のお茶をいれていた。
「カテリーナ。あれを持ってきてくれ」
「はい」
フリードとアルベルトが席につくと、カテリーナは小さな小瓶をテーブルに乗せる。
「紅茶によく合うハチミツですわ。どうぞ」
「あとは私がやろう。じっくりフリードと話したいから下がっていていい」
カテリーナに続き、エグモントにも下がるように言い、視線をフリードに向ける。
暗に人払いを要求されたのが分かったので、フリードもディルクに農園を見回ってくるように命じた。
「……さて。皆、いなくなりましたよ、叔父上」
「そうだな。一度お前とじっくり話したいと思っていた。まあ、茶でもどうだ」
言われて、フリードは一口口に含む。先日飲んだ時よりも苦みが強く、思わず顔をしかめた。
「苦いなら甘味をいれればいい。ところで、毒に関する私の疑いは晴れたのかな?」
「証拠が見つけられなかった……というだけです。そもそも、俺が叔父上が毒を使っているんではないかと疑い始めたのは、前妻のアデーレが死んだ時からです」
「ああ。彼女は気の毒だったな」