HANABI
「感じ悪いけぇのー…って、里見?」
「…っやだ!!」
顔を見られたくなくて、伸ばされた粟生の手を振り払う。
ポタリ、と床に小さな小さな水滴。
あれ、あたし何泣いて…?
「おい、里見、」
「こ、これは、汗!汗だから!」
我ながら、なんとも苦しい言い訳。
「目から汗は出んじゃろ。」
「…あたしは、出る。」
もう誤魔化しすら効かない、溢れる涙。
「鼻から牛乳出すのと同じ!」
「里見…、」
粟生の顔が心配してる。
でも、涙は止まらなかった。
というか、どうやって止めるんだっけ?
もう、重症だ、あたし…。
「ごめん、粟生…。あたし、帰る。」
「え?あ、おい!!」
粟生の返事を待つ前に、生徒指導室を飛び出した。
涙は、ずっと止まらなかった。