HANABI


バイトは楽しかった。

スーパーのレジ打ちって言っちゃうと、簡単そうに聞こえるかもしれないが
これが覚えなきゃいけない事だらけで。


大変だったけど、やりがいもあるし
何よりも粟生の事を考える時間が随分減った。

悲しみも、粟生への気持ちが消えたって訳じゃなかったけど
一人の時間が増えるのは避けたかった。


出来る限り、あたしなりに
粟生を『先生』として見ようって決めたんだ。


それに秋はよくこんな言葉を耳にする。


『秋の空と女心は変わりやすい』


そう、変わろう。
こんな惨めな恋、してたって時間の無駄なんだから。




それを、粟生だって望んでるんだから。





「よーし、やるからにゃあ、とことんやるけぇーの!!」

「先生やけにやる気なんだけどーっ!」

「当たり前じゃろうが!一番入場率がいいクラスは一か月学食がタダじゃけぇ!」




そうでしょ?

粟生?




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