HANABI


行ってどうすんの?

また傷つくだけじゃん。
また、泣くだけじゃん。


やっと、ちゃんと笑えるようになってきたのに。


でも――…




「粟生っ!!」

でも、あたしまだ
粟生の『生徒』になってない。


「里見…。」

まだ、粟生はあたしの中で『先生』じゃないんだもん。



まだ、好き。
まだ、諦められないの。




「満流?あたし、先に行ってるね。」

「え、あぁ、悪い。」

あたしと粟生の間に流れる空気を読んだのか、その人は立ち去って行った。


通り過ぎ様に香る、大人の香り。


二人きりになった裏庭で、先に口を開いたのは粟生だった。



「どうしたん?そがぁな顔して。」

何かあったんか?と、心配そうに眉を下げる。


粟生の顔が、真っ直ぐに見れない。







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