HANABI


俯くあたしに、粟生は小さく溜め息を吐き出した。


「聞いてどうするんじゃけぇ。」

「……聞いたら、諦める。」

ホントに?
諦められるの?


心の中で自分に問いかけてみる。

当たり前だけど
答えなんか返って来なくて。


あたしが決心する前に、粟生は言った。



「そうで。」

「え…?」

顔を上げると、眼鏡越しの粟生の瞳があたしの視線とぶつかる。



「ありゃー里佳じゃ。」


…あぁ、やっぱり。


わかってたくせに、何傷ついてんだ、あたし。



本当、救いようがないな、あたしって。
粟生が大好きだった自信はどこ行っちゃった?



だからフラれるんだ。


あ、もう何回もフラれてるか。





< 30 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop