HANABI
「粟、生…?」
「お前、何しとるんじゃ。こんにゃく係じゃろう?」
呆れた様子でこんにゃくを持ち上げる粟生。
「泣くのは里見じゃないけぇ。客じゃろうが。」
「…すいません…。」
最もらしいことを言われて、あたしは黙り込んだ。
「まあ、ええわ。ちょっと来んさい。」
「へ??ちょ、ちょっと、粟、先生!?」
「何が先生じゃ。散々呼び捨てしとったくせに。」
白々しいのぅ、そう言ってぐいぐいとあたしの腕を引く粟生。
真っ暗の教室を抜けて廊下に出ると
あまりの眩しさに目がチカチカした。
相変わらず、粟生はあたしを引っ張る。
そんなあたし達を見て不思議がるクラスメイトに
「里見、具合が悪いけぇ、連れてくから誰かこんにゃく係頼むけぇの。」
とこんにゃくを手渡した。
「宜しゅう!!」
そう言って廊下を進む粟生。
あたしはただなすがまま、粟生の後ろを引っ張られながら歩いた。