奏 〜Fantasia for piano〜
通路に一歩足を踏み入れて「わっ、すごい……」と呟いた。
幅四、五メートルほどの広い通路は、先が見えないほどに真っすぐ伸びていて、両サイドの壁は三階分はあろうかと思うほどに高くそびえている。
ここもやはり真っ白な空間で、天井に等間隔に開けられた丸窓から白い光が射し込み、大理石の床に光の円を描いていた。
そして、壁には無数の扉が……。
アーチ型でシンプルな白い木目の扉が、壁を埋めている。
壁の中ほどや天井付近にまでランダムに並んでいて、あんな高い場所に扉を付けてどうやって出入りするのだろうと、素直な疑問が湧いてきた。
それとも、イミテーションなのかな?
管理人は通路に入ってすぐに足を止め、説明してくれる。
「ご覧のような景色が、奥までずっと続いております」
「ずっとって……どのくらいの長さですか?」
「そうですね、今は地球二周半ほどでしょうか。
それより長くなる日もあれば、短くなる日もございます」