恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
横尾さんとあおいさんはそれぞれの持ち場があるので、そちらに向かい、戸塚さん、鈴井さんは新たな任務に向けて内偵を進めるために子会社へと出向していった。
この特別班の部屋にいるのは、わたしと大上部長の二人っきりだ。
はじめてあったときは、本当に二人っきりになるのがつらかったのに、今ではすっかり慣れてしまった。
伝票処理をしながら、やっぱりふつふつと湧く疑問が頭から離れず、大上部長へ話しかけた。
「大上部長、質問があります」
「なんだ」
大上部長は目を通していた資料から視線をはずし、わたしへ顔を向ける。
「どうして『カントク』を始めようとしたんですか?」
「恩返しだ」
「恩返しって」
「こんな自分に仕事をくれる会社に。それだけだ」
大上部長は昔の思い出を馳せているのだろうか、天井を仰ぎ見ていた。
「運転手の父親がなくなってから社長が俺を大学まで通わせてくれた。まったく関係のない自分を。だから自分の能力を発揮しようと努力した。あおいから提案されたんだよ。もっといい会社にできないかって」
「あおいさんが」
いろいろな覚悟があったからこそ、『カントク』を作っていこうと決めたんだろうな。
あおいさんも信頼があるからこそ大上部長を支えていたんだ。
「会長、社長、以下役員も乗り気でね。その人間たちが責任をもつからということで『カントク』がうまれて俺は兼任させてもらっている」
大上部長の能力の高さを知って作ったこの『カントク』は結局わたしだけじゃなくて、すべての人を救っているんだな、と改めて感じた。
この特別班の部屋にいるのは、わたしと大上部長の二人っきりだ。
はじめてあったときは、本当に二人っきりになるのがつらかったのに、今ではすっかり慣れてしまった。
伝票処理をしながら、やっぱりふつふつと湧く疑問が頭から離れず、大上部長へ話しかけた。
「大上部長、質問があります」
「なんだ」
大上部長は目を通していた資料から視線をはずし、わたしへ顔を向ける。
「どうして『カントク』を始めようとしたんですか?」
「恩返しだ」
「恩返しって」
「こんな自分に仕事をくれる会社に。それだけだ」
大上部長は昔の思い出を馳せているのだろうか、天井を仰ぎ見ていた。
「運転手の父親がなくなってから社長が俺を大学まで通わせてくれた。まったく関係のない自分を。だから自分の能力を発揮しようと努力した。あおいから提案されたんだよ。もっといい会社にできないかって」
「あおいさんが」
いろいろな覚悟があったからこそ、『カントク』を作っていこうと決めたんだろうな。
あおいさんも信頼があるからこそ大上部長を支えていたんだ。
「会長、社長、以下役員も乗り気でね。その人間たちが責任をもつからということで『カントク』がうまれて俺は兼任させてもらっている」
大上部長の能力の高さを知って作ったこの『カントク』は結局わたしだけじゃなくて、すべての人を救っているんだな、と改めて感じた。