恋する任務は美しい〜メガネ上司の狼さんと訳あり隠密行動〜
仕事が終わり、特別班の部屋を出ようとしたところで、大上部長がやってきた。
今日も素敵なスーツに身を包んでいるにもかかわらず、髪の毛が少し乱れ、顔色が悪く冴えない。
「お疲れ様です」
「お疲れ様。終わったのか、仕事」
大上部長は無表情のまま、わたしの横を素通りし、自分の席にカバンをおくと、どかっと音を立てて腰を下ろした。
ふう、と強めのため息が聞こえる。
「はい。終わりました」
「また明日もよろしく」
と、大上部長はわたしの顔をみずにカバンから書類を取り出している。
どうしても話したかったから、ドアノブに手をのばしかけた手を下ろした。
「……昨日ずっと待ってたんですよ」
「悪かったな」
大上部長はパソコン画面の光に照らされながら、書類を手にとっていた。
悪かったな、ってそれだけ?
期待したわたしも悪いけれど、たったそれだけなんて。
「もう昨日のことは忘れろ」
さらに追い討ちをかけるように大上部長はぽつりとつぶやいた。
「どういうことですか!」
「これ以上、仕事に支障をきたす。忘れろ」
無情に大上部長の声が部屋に響く。
昨日の行いはすべて『オオカミ』な部分が出てわたしを翻弄してたってことか。
「……わかりました」
「物分かりがよろしい。椎名萌香」
あんなにやさしく抱きすくめてくれたのは夢だったんだろうか。
「お先に失礼します」
と、振り向きざまに大上部長をみたけれど、大上部長はやはりわたしを無視して資料を眺めていた。
今日も素敵なスーツに身を包んでいるにもかかわらず、髪の毛が少し乱れ、顔色が悪く冴えない。
「お疲れ様です」
「お疲れ様。終わったのか、仕事」
大上部長は無表情のまま、わたしの横を素通りし、自分の席にカバンをおくと、どかっと音を立てて腰を下ろした。
ふう、と強めのため息が聞こえる。
「はい。終わりました」
「また明日もよろしく」
と、大上部長はわたしの顔をみずにカバンから書類を取り出している。
どうしても話したかったから、ドアノブに手をのばしかけた手を下ろした。
「……昨日ずっと待ってたんですよ」
「悪かったな」
大上部長はパソコン画面の光に照らされながら、書類を手にとっていた。
悪かったな、ってそれだけ?
期待したわたしも悪いけれど、たったそれだけなんて。
「もう昨日のことは忘れろ」
さらに追い討ちをかけるように大上部長はぽつりとつぶやいた。
「どういうことですか!」
「これ以上、仕事に支障をきたす。忘れろ」
無情に大上部長の声が部屋に響く。
昨日の行いはすべて『オオカミ』な部分が出てわたしを翻弄してたってことか。
「……わかりました」
「物分かりがよろしい。椎名萌香」
あんなにやさしく抱きすくめてくれたのは夢だったんだろうか。
「お先に失礼します」
と、振り向きざまに大上部長をみたけれど、大上部長はやはりわたしを無視して資料を眺めていた。